こんばんは・・・夜中近くに更新です。

やっとこさ、続き物の完結です!
だんだん書いていて、取り敢えず自分の好きな人物を書きたいんだなってしみじみ思いました(入れ込んだ感) 
ちょっと言葉遣いなどが違和感ありましたらすみません・・・自分の理想像で書いています。
劉禅中心のお話の流れです。
長めです、お暇潰しになって貰えたら幸いです!

拍手コメント、有難く拝見しております♥
いつもありがとうございます~!!

 

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2.
 

頭に包帯を巻かれ、静かな寝息を立てている若者を、独り残された劉禅はただ黙って見つめている。

相手は眠っているから気付かない筈なのに、それでも彼に触れるのが申し訳ない気がして、何となく行き場の無い手を寝台の縁に乗せ、劉禅はじっと相手の傍らに寄り添い続けた。

時々室内の燈火へ油を注ぎに来る者以外の来室者は無く、どれ程時間が経ったのか劉禅にも分からない。

ふと、姜維の寝息以外の音を耳にして、彼は諸葛亮が戻って来たのかと後ろを振り向いた。

足音を忍ばせながら入室してきたのは、劉禅が予想していた人物では無い。

「父上・・・」

昼間の衣装のまま、劉備がこちらに歩み寄ってくる。

椅子から立ち上がり、劉備へそれを勧めるが、相手は軽く手を上げて構うなと身振りで告げられた。

「姜維の様子は?」

目元に僅かな厳しさを残して寝台へ視線を向けている横顔に、劉禅は少し緊張を含んだ静かな響きで問いに答える。

「諸葛亮が薬を飲ませてくれたそうです。それからずっと眠ったままで・・・大事ではないと諸葛亮は申しておりましたが・・・」

そうか、と呟き、姜維を見つめていた劉備は不意に劉禅へ視線を移した。

「ではお前は?」

「・・・私?」

急に己の事を尋ねられ、答えるべき言葉が見つからず戸惑った声を出した息子を、父は厳しさを緩め、肩を竦めて眉を下げた。

「何か食べたのか?」

ええと、と劉禅が目線を泳がせると、劉備が苦笑いを浮かべる。

「やはりなにも食べていないのか。空腹を我慢してまで傍に居ろとは言っていなかった筈だがな・・・」

「い、いえ、お腹が空かなくて。決して無理をしていた訳では無いのです」

父の罰のせいではない、と慌てて応える劉禅を、劉備が優しく抱き締めた。

「すまなかった、公嗣」

劉備からの穏やかな抱擁と謝罪の言葉に、その息子は返す言葉を無くして固まる。

「随分と痛い思いをさせたな」

昼間の叱責を、劉備自身が気にしていてくれたと知った劉禅は、緩やかに首を振った。

「いいえ。父上は私に正しいお話をして下さったのです。父上が厳しくして下さったお蔭で、己の至らなさや愚かさを気付かせて頂きました」

しっかりとした息子の言葉に、劉備は静かに彼の頭を撫でる。

「・・・まだ、頬は痛むか?」

父親の温もりの中で、劉禅は少しだけ甘えるようにその胸元へ顔を寄せた。

「大丈夫です、孔明が冷やしてくれました」

軍師の名を聞いて、うむ、と劉備が引き気味の響きで唸る。

「やはり良く見ているな、あれは・・・」

「誰も孔明に隠し事はできませぬ、ふふ」

息子の悪戯気な含み笑いに、劉備がおやと問いかけた。

「お前も?」

父の顔を胸元から見上げて、劉禅は嬉しそうに頷いてみせる。

「はい、私にとって父上のような存在ですから」

「そうだったな、公嗣には父親代わりが沢山居たのだった」

父親代わりが何人いるのだったか、と天井へ目線を上げて思い返す劉備の様子を見て、彼の息子が笑った。

「ですが、本当の父上だけが私をちゃんと叱って下さいます」

にこにこしながらそう言う劉禅を、劉備が困った表情で眺める。

「出来るのならば、これ以上父が叱らなくて済む我が子となって貰いたいものだがな」

「申し訳ありません、それにはまだ暫くかかりそうです」

悪びれもせずそう返した劉禅の頭を、仕方のない奴だと軽く小突いて苦笑していると、もう一人誰かが静かに断りを入れて入室してきた。

そして劉親子の姿を認めると、入り口近くで足を止める。

「これは失礼をいたしました、お話の邪魔をしてしまいましたでしょうか?」

盆に何かを載せて両手が塞がっている相手に、劉備が否と笑みかける。

「そなたに聞かれて困る話はしていない。なあ、公嗣?」

父に話を振られた劉禅もふんわりと笑って、入り口の辺りに佇んでいる相手に手招きをした。

「はい。子龍を悪く言う父上など何処にもいらっしゃらないですから・・・子龍、そなたもこの様な時間まで起きていたのか?」

相手の手招きに会釈をして、劉親子の傍へ歩み寄った趙雲は、その傍らで穏やかに眠り続けている姜維を見つめる。

「勿論です。劉備殿と劉禅様が起きていらっしゃる中、私だけ休むなどあってはならぬ事です」

手近な卓に小振りな鍋と食器を置き始めた趙雲に歩み寄り、その手元を眺めながら劉備が目を細めた。

「それに、私が子龍に頼み事をしていたのもあってな。・・・この様な時間まで付き合わせてすまない、子龍」

食器を並べる手を止め、労いの言葉を掛けてくれる主君へ、忠臣は穏やかな笑みを向ける。

「貴方様のご希望を私の微力で叶えられるのでしたら、何時でも喜んでお手伝い致しましょう。そのようなお顔はなさらないで下さい」

趙雲らしい、控えめながらも頼りになる言葉を聞いて、劉備が照れも混じった嬉しげな微笑みを浮かべた。

「ありがとう、子龍。ではここを任せても良いか?」

「お任せください」

力強く頷いてくれた趙雲に頷き返し、劉備はこちらの会話を黙って眺めている息子へ顔を向ける。

「公嗣、少しでも良いから食べておけ、良いな?」

「あの、父上は・・・」

「私は孔明の様子を見てくる。あれも放っておくと根を詰める男だからな」

息子へ言うだけ言うと、劉備は踵を返し早足で退室していってしまった。

趙雲に何を託したのかとか、なにを食べろと言っていたのかとか、詳しい事を自分に話さず行ってしまった父親の考えが分からず、その場に置いてけぼりのような顔で立ち尽くす劉禅の耳に、密やかな笑い声が聞こえて来る。

「劉備殿も動転していらっしゃったようですね」

「動転?」

食事の形に整えられた卓の傍で、趙雲が劉禅を招くように椅子をこちらに向けていた。

「劉備殿は、劉禅様へお食事を用意するようにと私に仰っていたのです。さあ、詳しいお話の続きはこちらで」

劉禅が困った表情で空腹を感じていない、と父に告げた事と同じ内容を話したが、趙雲は首を振って席に着く事を促す。

「姜維の目が覚めた後は、劉禅様もお忙しくなりましょう。ほんの一口でも召し上がって下さい」

大切な人物の名を出されては、劉禅も断り切れない。

椅子を眠っている姜維の様子が見える向きにして貰い腰掛けると、趙雲が持って来た小鍋の蓋を開ける。

「夜も遅くなりましたので、厨房に粥を作って貰いました。これなら召し上がりやすいかと」

「すまないなあ、子龍にまで迷惑を掛けてしまった」

慣れた手つきで椀に粥を注ぎながら、趙雲はいいえと優しく応えた。

「私のことをお気になさる必要はありません。劉禅様は姜維のことだけをご心配下されば宜しいのです。劉備殿もその為に、貴方様をこちらに留めおかれたのですから」

粥の入った椀を劉禅の前にそっと置き、彼はどうぞと促す。

そろそろと手を伸ばし、少なめに注がれた粥にゆっくりと匙を入れる劉禅の様子を見つめ、近くの椅子に腰を下ろした趙雲は安堵したように口元を少し綻ばせた。

粥の味を確かめるように一口食べた劉禅が、美味しいと笑む。

「とても喉を通らないと思っていたが、これなら食べられそうだ」

「それは良かった。ゆっくり、ご無理をなさらず」

うんと頷き匙を動かしながら、劉禅が静かに趙雲を呼んだ。

「子龍・・・父上は、昼間から今までずっと、あのお姿なのか?」

「はい。私どもが御着替えやお休みなさるようにと勧めたのですが・・・」

そこまで話して、趙雲が口籠る。

『このままで良い。公嗣への罰を課した己が、あれを放ったまま楽をする訳にはいかぬ』

そう、劉備は趙雲に語っていたが、その話を相手に教える事は憚られた。

父親の話を聞いた彼の息子は、きっとまた周囲を巻き込んでしまったと罪悪感に苛まれてしまうだろうと趙雲は予感したのだ。

「でも、お食事はきちんと摂られていらっしゃいましたよ?」

咄嗟に劉禅の止まっている手元を指摘するような話に変えて、趙雲は笑顔を見せる。

「姜維が目を覚ました時、劉禅様に元気が無かったら、あれは酷く心配いたします。姜維の為にも召し上がって下さい」

粥をすくって劉禅が小さく肩を竦めた。

「諸葛亮にも同じようなことを言われた・・・」

「そうでしたか。これは余計な事を申しました」

「いや・・・皆、そう思ってくれているのだな。忘れないようにする」

呟くようにそう言って、再び粥を食べ始めた劉禅を優しく見守りながら、趙雲は相手に語り掛ける。

「劉禅様。姜維にとって、劉禅様は唯一無二のお人。どうかこれからも傍においてやって下さい」

「子龍・・・」

劉禅の向こうで眠る若者へ目を向け、趙雲は言葉を続けた。

「姜維には劉禅様が必要なのです。この趙子龍に劉備殿が必要なように」

己の目から見ても微笑ましく思える父親と趙雲の仲の良さを思い返して、自分と姜維もあのように仲睦まじく、と想像した劉禅の目元がふんわり赤みを帯びる。

「あ・・・うん、そうか」

返事にならない言葉で誤魔化そうとしている劉禅を、趙雲はからかうことなく穏やかに見つめた。

「どうぞ宜しくお願い致します」

「・・・うん」

匙を口に運びながら姜維へ目を遣った劉禅の動きが、一瞬止まる。

そして無言で食器を卓に置くと、立ち上がり寝台の脇へ駆け寄った。

若君の行動に合わせて姜維の近くへ歩み寄った趙雲が、諸葛亮を呼んでくると劉禅の耳元へ短く伝えて部屋の出口へ向かう。

しん、と静まった部屋で、劉禅は寝台の脇に佇んだまま、先程まで眠っていた相手の顔を不安げに見下ろして、何と声を掛けようかと戸惑っていた。

仰向けに横になっている姜維の目は開いている。

その目はじっと天井へ向けられたまま、彼の口がゆっくりと動いた。

「・・・・・夢を、見ておりました」

笑うでもなく、怒るでもない、淡々とした口調で、姜維は言葉を続ける。

「綺麗な青空を仰ぎ見ている夢です。雨雲の姿など一切ない快晴の青空を見ておりましたのに、ふと頬に一滴、何かが当たるのです」

突然語り始めた夢の話に、劉禅は相手の記憶が混乱しているのではと不安に襲われるが、口を挟むことが憚られ、黙って傍の椅子に腰かけた。

「雨かと、初めは思いました。ですが、その滴と共にどこからか泣き声が聞こえて来るのです。申し訳ない事をした、早に戻って来てくれ、泣き声の主はそんな言葉も交えていたような気がします」

そこまで語ると、姜維はゆっくりと劉禅の方へ顔を向ける。

「その声は、聴き慣れたお方の声にそっくりでした」

不思議な夢だ、と姜維の話に合わせようとしたが、胸に何かが仕えているようで劉禅は相手の名も呼べずに息を詰めた。

口を僅かに開いて身じろぎした劉禅を見つめる姜維の瞳が、優しい光を湛えている。

「劉禅様」

穏やかな呼び掛けに応えるように、劉禅が姜維の大きな手にそっと触れた。

若者は遠慮がちな温もりを感じ、嬉しそうに微笑む。

「ご無事で、本当に良かった」

どこまでも自分の身を心配してくれる相手の優しさに、劉禅の胸が苦しくなった。

「伯約・・・すまなかった。私の愚行で、そなたをこの様な目に遭わせてしまって」

陰りを含む劉禅の声と表情に気付いていた姜維が、おもむろに上半身を起き上がらせようと身体に力を籠める。

「っ!?伯約、いけない」

姜維の行動にびっくりした劉禅が、その動きを押しとどめようと彼の胸元に縋り付いた。

それでも姜維は構わず、劉禅を片腕で支えて上半身を起こす。

「大丈夫です。大きな怪我ではありませんから。頭を少し切っただけで、打ち身も大きくないと言われております」

自然と相手に抱きかかえられる格好になったまま、先程よりもしっかりしてきた姜維の声を胸元で聞いている。

「しかし、随分と長く眠っていたから・・・」

自分の前で気を遣って元気に見せているのでは、と劉禅が遠回しの懸念を口にすると、相手が苦笑気味の笑い声を漏らした。

「あれは、丞相の薬のせいです・・・私が一度起きた時、貴方様のご様子を確かめに行こうとしたのですが・・・」

「私の??」

姜維の意外な話に、劉禅が顔を上げて間近な相手を見上げると、彼は何ともばつの悪そうな表情で頭を掻いている。

「はい。ですが、丞相から気持ちを落ち着かせる為、休むようにと押しとどめられました。それでも諦めきれず、劉禅様の元へ行こうとしましたら・・・その、結局・・・趙雲殿と馬超殿までやって来て半ば無理やりに眠り薬を」

先程までしれっとした顔で劉禅と会話を交わしていた趙雲や諸葛亮たちの強行策を聞いて、劉禅の目は真ん丸になった。

あの大人たちがそこまでやったのならば、姜維は随分と頑張って自分の元まで来ようとしたのだろう。

「なんという無理を。私の事など・・・」

劉禅の言葉を止めさせるように、姜維が抱き締める力を強めた。

「私が護りたかった方がご無事でなければ、この姜伯約が此処に居る意味などありませぬ」

強い意思が籠る凛とした響きを、劉禅は彼の温みの中で耳にする。

もう、彼に寄りかかり過ぎないようにと決めたばかりの心が、その響きに揺らいだ。

ぐらつく決心を踏みとどまらせようと、劉禅は僅かに固い声音を作って抵抗を試みる。

「何を言うのだ。そなたの身は私だけのものでは無いぞ。諸葛亮も、子龍も、馬超も、父上だって」

「ですが姜伯約の心は、貴方様だけのものでございます」

すぱりと、ぐらついていた決心の土台を崩されるどころか、綺麗に切り取られてしまった。

相手の心中での葛藤など露知らず、姜維は劉禅へ向けた言葉を続ける。

「心のありようは、身体を象(かたど)ると謂われております。貴方様の為に在りたいと願う心で象られるこの身は、劉禅様の為に在るものでございますから」

小さな笑い声が、劉禅の耳元で聞こえた。

「やはり、この姜伯約の心身は劉禅様の為にあるのです」

ここまで言われてしまっては劉禅に反論の言葉など、ひとつも浮かばない。

自分が何か言葉を発すると姜維からの強烈な告白が台無しになってしまいそうで、劉禅は彼の胸元に縋って抱き締められるがままになっている。

そんな小柄な体を優しく抱き締めながら、姜維はすみませんと謝った。

「ですが、劉禅様のご心配も尤もですね。あまり無茶はしないように致します」

相手からの気遣いに、劉禅は返事をしないと、と慌てて言葉を探す。

「・・・うん、そうして欲しい。私も、そなたに何かあったら悲しい、その・・・」

「どうされましたか?」

口籠った劉禅の様子を不思議に思った姜維が腕の力を緩めて相手の顔を確かめようと小首を傾げたとき。

「伯約は、私の心の一部だから・・・っ」

胸元からぱっと顔を上げてそう言い切った劉禅と、まともに視線がぶつかった。

お互いの動きが止まり、ほぼ同時に顔が赤くなって行く。

あの、その、と急に呂律が回らなくなった姜維の慌てぶりを間近で眺めていた劉禅が、顔を赤くしたままくすりと笑んだ。

「伯約の方が、もっと凄い事を話していたのだがなぁ」

「いえっ、そんなことは・・・!!」

焦る姜維の腕に手を乗せ、劉禅は静かな響きで語り掛ける。

「心のありようが身を象ると言うのであれば、私もそなたの存在で象られていると思う」

「劉禅様、勿体無いお言葉を・・・」

ううん、と劉禅は首を振った。

「当たり前すぎて、今の今まで気付かなかったのだ。それくらいに伯約は、私の傍へ常に居てくれているという事。これからはその事実を当たり前と思わず、大事にしてゆくから・・・だから伯約」

腕に乗せられている小さな手を取り、姜維は劉禅へ笑いかけ、力強く頷く。

「承知いたしました」

最後の言葉まで告げなくても、目の前の若者は己の想いを分かってくれる事に、劉禅は改めて感謝した。

そんな大切な相手を、本当の意味で大事にしてゆく、という答え探しは彼の中で既に始まっている。

「これからも、そなたに沢山の迷惑を掛けると思う」

「それも、承知しております」

「だが、もうこんな痛い思いはさせないようにする」

「ふふ、それは期待しております」

「・・・やっぱり、痛かったのではないか」

手を重ねたまま他愛ない会話をしている内に、ふと劉禅が何かを思いついた顔になった。

「そういえば、諸葛亮を連れてくると子龍が言っていたが・・・遅いなあ」

軍師の名を耳にした姜維が、ぎくりとする。

「え、丞相を・・・?」

「どうしたのだ?急に手を引っ込めて」

「い、いいえっ、ご無礼をしていたと」

慌てながらこれからやって来る師匠向けの体裁を取り繕うとする姜維を、劉禅は不思議そうに見つめていたが、可笑しげに笑い出した。

「ふふふ・・・やっぱり伯約は面白いなあ」

口元に手を当ててたおやかに笑う横顔に、姜維は繕う言葉を無くして見惚れる。

もう少し、己が師の来室が遅れてくれるように、と彼はそっと心の中で我儘を呟いた。

 

「いい加減、叱りに行きます」

「諸葛亮殿、いま暫く・・・」

部屋の扉の前。

寝不足の顔に刻まれた眉間の皺が怖さを増している軍師を、趙雲が必死に宥めている。

その隣で、劉備が大きく伸びをした。

「なあ・・・私達が行かなくとも大丈夫そうではないか?」

のんびりした主の提案にも、諸葛亮の不機嫌は直らない。

「姜維の身体のことではありません。劉禅様に対してのご無礼を申しているのです」

「そう怒るな、孔明。もとは公嗣が悪いのだ、今日くらいは許してやってくれ。な、子龍?」

「・・・殿・・・今は流石に姜維が行き過ぎている気が致します・・・」

姜維と劉禅が、扉一枚挟んだ向こうで大人たちがヒソヒソ声で揉めているなど知るはずも無い。

師匠の雷が落ちるか、劉備の穏やかな嗜めで済ませるか、夜中の廊下で始まった三人の相談の結果はもう少し時間が掛かりそうであった。

 

 

(終わり)

 

 

 

終わらせた感、が強いラストでした。

これ書いている間におかしな妄想が出て来てしまって、趙雲と馬超で姜維に眠り薬を飲ませる、という下り。

姜維「劉禅様の所へ行きますっ!!」←まだ頭流血中

諸葛亮「いい加減にしなさい!そこまで言う事を聞かないのでしたら・・・お二方、お願いします」(指鳴らし)

・・・ここまで妄想して我に返って作文に戻りました。

これやってしまったら、諸葛亮さんホントに戦隊ものの悪の親玉っぽくなると自粛。

大人組の「若者の気持ちは分かるんだけど、突っ走るなよ」的な心配と同情が混じった感覚をもう少しちゃんと書きたかったかもです。